映画戦略企画委員会、第一回目の会議が開催されました
出典:首相官邸ホームページ
9月9日、映画戦略企画委員会の第一回目の会議が総理大臣官邸にて開催されました。コンテンツ産業官民協議会と共同での開催になります。
映画戦略企画委員会は、内閣府が進める「新しい資本主義実現会議」にて映画振興に特化した委員会として、コンテンツ産業官民協議会と併せて本年6月に設置が明記されてから、早速の開催となりました。日本映画への「一貫的で強力な支援」のために「文部科学省・経済産業省の両省庁の施策を統合」するためのもので、日本映画の文化と産業の両面で、製作から劇場、働く環境まで幅広く包括し支えられるような組織体へと発展していけるか、期待が寄せられています。
会議には、アニメーション・映画監督の庵野秀明さん、映画監督の山崎貴さん、俳優の大沢たかおさん、現場スタッフマネージャーの近藤香南子さん、そしてa4c共同代表の是枝裕和など、多彩なメンバーが参加しました。
私たちとしてはこの流れが良い方向へと進んでいくよう注視していくとともに、当事者意識を持って引き続き提言を続けて参ります。
▼会議終了後の是枝監督ぶら下がり取材
会議後の囲み取材で是枝監督は、会議において「人材育成を担うのは一番は制作現場なので、そこで働いて生活できるような場所になるように改善していくために何ができるか、ということを中心にお話ししました。時間をかけて(今日)ここまできた。みなさんと問題意識は共有できたので、その認識をどういう風に現場に還元するか、具体的な動きはこれからだと思います。クリエーター支援基金というものがいい形で実現したとして、どのように現場に落とし込んでいけるか?これからの議論になるので気を抜かないようにしていきたい」と述べました。
また、記者からの「スタッフ、クリエイターの待遇改善、未来の担い手に対しては?」という質問には、「自分は監督なので、監督がまず変わらないといけない。スタッフにどのような環境で働いてもらうかは、監督、プロデューサーの意識改革がまず必要。その上で、その下支えを業界なり、政府なりにしてもらうかが課題。まずは、自分の現場から」と答えました。
さらに、政府と一緒にやることについてのスタンスは?という質問には、「先日(4/17)第26回新しい資本主義実現会議でも下支えはするが内容には口を出さないと繰り返し言ってもらっているので、そこは大前提として死守しながら、自分たちのことは自分たちで考えて、決める。その上で連携できればと」と締めくくりました。
映画戦略企画委員会 メンバー
【政府側構成員】
議長 内閣官房副長官(衆)
議長代行 内閣官房新しい資本主義実現本部事務局長代理
議長代行 内閣府知的財産戦略推進事務局長
公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長
総務省情報流通行政局長
文化庁次長
文化庁参事官(芸術文化担当)
経済産業省商務情報政策局商務・サービスグループ長
経済産業省商務情報政策局商務・サービスグループ文化創造産業課長
【民間側構成員】(五十音順)
庵野秀明 アニメーション・実写監督・プロデューサー
市井三衛 映像産業振興機構専務理事・事務局長
内山 隆 青山学院大学総合文化政策学部教授
大沢たかお 俳優
是枝裕和 映画監督
近藤香南子 アングルピクチャーズ株式会社・現場スタッフマネージャー
松岡宏泰 東宝株式会社代表取締役社長
山崎貴 映画監督
和田丈嗣 株式会社プロダクション・アイジー代表取締役社長
コンテンツ産業官民協議会の参加メンバーなど、会議資料の詳細はこちらから確認できます。
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【これまでの経緯】
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【提言】日本映画製作者協会、日本映像職能連合(8団体)、a4cの合計10団体で包括的な振興機関の設置に関する要望書を提出しました
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podcast番組「voice4cinema」【官邸での会議直後の是枝監督にヒアリング(新しい資本主義実現会議)】
「日本版CNC、なぜ必要?」説明動画
action4cinema / 日本版CNC設立を求める会 一同
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