【お知らせ】ご賛同人のお名前掲載についてと、省庁要請についてのご報告

ご賛同人のお名前掲載についてと、省庁要請についてのご報告
映画監督有志 2022.04.01
誰でも

皆様

 こんにちは。有志の会です。
 2点お知らせさせて頂きます。

① 3月18日に表明した声明に賛同人の皆様のお名前を掲載させて頂きました。

 まず声明から数日で300名以上の方よりaction4cinema@gmail.comへご賛同の連絡を頂きました。誠にありがとうございました。ご賛同頂いた方からお名前の掲載にご同意頂けた方を賛同人として声明に連名で掲載させて頂きました
 賛同人には多数の映画監督のみならず、プロデューサー、俳優、演出部、制作部、技術部、映画館関係者、ジャーナリスト、映画ファン、学生の方など多くの方に名を連ねて頂きました。今回お名前の掲載をご許可頂けた方、またお名前を掲載せずとも賛同の声を寄せて頂いた方、叱咤やご意見も含め、この業界を変えていかなければならないという危機意識の顕われであると受け止めています。感謝申し上げます。
 なお、3月25日12:00までにご賛同の連絡を頂いた皆様が現在掲載されています。
 引き続き、掲載については順次進めていきたいと思います。


②「文化芸術分野の適正な契約関係構築」について、ハラスメント防止に向けての要望書提出を行いました。

【⽂化庁・省庁要請実施報告】
⽇程 :3 ⽉ 24 ⽇(⽊)16:30~17:00
場所 :⽂化庁 ( 東京都千代⽥区霞が関3丁⽬2−2)
寺本恒昌⽂化経済・国際課⻑(⽂化庁)
中⼭恭幸 ⽂化芸術活動基盤強化室 専門官(⽂化庁)
㮈村篤⼦ ⽂化芸術活動基盤強化室 経営改善・市場流通係⻑(⽂化庁)
提出者:
 諏訪敦彦(映画監督・映画監督有志の会)
 ⻄川美和(映画監督・映画監督有志の会)

 私たちは声明において「何ができるかを考え、改善に向けたアクションを起こしてゆきます」と書きました。声明を声明だけで終わらせず、現状の把握、具体的な改善方法を模索すべく動き始めたいと思います。
 このタイミングにおいて、文化庁ではフリーランスの俳優やスタッフが安心・安全な環境で働けるよう「文化芸術分野の適正な契約関係の構築」に向けた検討会が進行中で、わかりやすい契約書のひな形が作成されようとしています。私たちは、私たち自身が反省と改善を進めていくためにも、まずは映画業界団体に働きかけていくべきであると考えていますが、一方で省庁の作成する契約書のひな型は業界に対し否が応でも強い影響力を持ちます。そのため、少しでも労働者やハラスメント防止に配慮をされたひな型になるよう、緊急ではありますが、文化庁長官宛に要望書を提出しました。
 要望書全部は以下になります。ぜひご一読頂ければ幸いです。

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令和4年3月24日
文化庁長官 都倉俊一様
「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議」 御中

映画監督有志の会
是枝裕和、諏訪敦彦、岨手由貴子
西川美和、深田晃司、舩橋淳(五十音順)

「文化芸術分野の適正な契約関係構築」に向けて、ハラスメント防止策についての要望書

 映画・映像分野における労働環境について提言します。
 現在、「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議」において準備されている文化庁発出の契約書の雛型にハラスメント防止策を組み込むことを十分に議論し検討することを要望します。

 日本の映画業界は1960年代頃までは俳優もスタッフも撮影所に雇用され安定した立場で働いていましたが、その後のテレビの普及に伴う映像分野の多様化のなかで、雇用型の撮影所システムは終わりを迎え、その大多数がフリーランスとして不安定就業の形態で働くことになりました。しかし、そういった重大な労働形態の変化に残念ながら映像業界は十分に対応できてきたとは言えませんでした。
 撮影所時代の労使間の争議によって取り決められた現場の安全を守るためのルールも、俳優・スタッフがフリーランス化するなかで無実化し、雇用者側である映画会社、プロデューサーは圧倒的に優位な地位を有したまま、労働者の権利は縮小し現場の労働環境は悪化していきました。
 度を超した長時間撮影の常態化、指導という名のもとに行われる技師から助手、助手から助手への罵倒や暴行、そしてディレクターやプロデューサーによる優越的地位を濫用したスタッフ・俳優へのハラスメント、性的暴行など、撮影準備から撮影、配給から映画館に至るまでそのケースは枚挙にいとまがありませんが、最大の問題はこれらの悪習が当たり前のものとして問題視されず、芸術や教育の美名のもと看過され続けてしまったことです。その被害は誰もが受けることになりますが、そういった環境下で最も傷を負いやすいのは若い俳優やスタッフ、また女性であり、その多くが希望を失い声もなく去っていったことを重く受け止めねばなりません。
 私たちはこの悪習を次の世代に残さないためにも、まずは映画監督の立場から映画監督の職掌のもつ権威性、暴力性について同業者に自覚を促すことを目的に3月18日に声明を発しました。

【私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します】
https://action4cinema.theletter.jp/posts/877aa260-a60c-11ec-a1bd-3d3b3c9fc3bd

 声明発表後、同様の問題意識を持つ多くの映画関係者から賛同が届き、私たちはすでに300を越えるメッセージを受け取っています。中にはパワーハラスメント、セクシャルハラスメントの深刻な被害を受けていた方の極めて切実な声もありました。それらはすべて、この業界を変えなければならないという危機意識の顕われであるはずです。
 映画の現場において俳優やスタッフの権利や人権が軽視されてしまう要因のひとつに、日本の商慣習における契約書締結の不徹底があります。契約書は労使の関係を明確にし、それぞれの持つ権利と負うべき責任を明確にします。契約書の雛形を出すことは契約書を軽視する業界慣習改善に効果が期待できますが、それはときにその内容に同意しない人を業界から排除することにもつながります。内容次第でハラスメント防止にも、その逆にもなりえるからこそ、その内容は十分に吟味されなくてはなりません。

 省庁において「文化芸術分野の適正な契約関係構築」について検討が始まったことは歓迎すべきことですが、しかし、その検討期間が21年9月から22年3月末と短期間であること、検討委員のメンバーに実演家当事者の割合が極めて少ないこと、また検討にあたって現場における契約関係の実態を把握し参考にするためのアンケートの実施期間が21年12月17日から12月27日とわずか10日間であることから分母が少なくまた回答を得られた業種にも偏りがあるなど問題が多く、当事者、それも声をあげづらい現場労働者の意見をきちんと反映できているのか、公正な議論と検討が尽されているのか、疑問を持たざるをえません。実際、すでに公表されている3回の議事録を読む限り、ハラスメント防止に関する議論は、問題の深刻さに対しまだ不十分です。
 今回作成される契約書の雛型は、今後のモデルケースとなる極めて重要なものとなります。だからこそ、省庁には拙速に結果を示す前に、議論のためのより十分な期間を設け、現場スタッフ、俳優らへのヒアリングをより丁寧に広範に行ったうえで、どうすれば態様が多岐にわたるハラスメントを防止できるのかを真摯に検討することを要望いたします。 最後になりますが、以下にご本人からの同意を得て、私たちに届いた当事者の声を紹介します。

※以下は実際にいただいたメールの文面を3例ほど、発信者ご本人の了承を得て、お名前等非公表で提出しました。

以上

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記事【文化庁が進める「文化芸術分野の適正な契約関係構築」に「映画監督有志の会」がハラスメント防止に向けての要望書を提出】

 報告は以上となります。
 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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映画監督有志の会一同
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